1996年5月、井上陽水が作詞し、奥田民生が作曲・プロデュースしたシングル「アジアの純真」でデビューしたPUFFY。「アジアの純真」はオリコンチャート最高3位を記録。楽曲の良さはもちろん、それぞれ確かな歌唱力、ルックスとを兼ね備えながら、それまでのアイドルとは一線を画す、奥田譲りのどこか“脱力系"のキャラクターからくる新鮮さもあり、いきなりのブレイクを果たしている。
同年10月発売の2ndシングル「これが私の生きる道」ではオリコンチャートで初の首位を獲得しているが、驚かされるのは、翌97年8月の2作目のアルバムが、「大貫亜美吉村由美」名義で、それぞれのソロアルバムをワンパッケージにした2枚組『solosolo』としてリリースされていることだ(PUFFYとしての2ndアルバムは、98年4月リリースの『JET CD』で、同作でアルバムでは初の首位を獲得)。『solosolo』は最高2位を獲得しているが、その後も99年12月の『PRMX』(リミックス盤)、デビュー4年にしてベスト盤リリースとなった00年7月の『The Very Best of Puffy』、02年2月の『THE HIT PARADE』(カバーアルバム)、03年9月の『PRMX TURBO』(リミックス盤)と、奥田民生、アンディ・スターマーらがプロデュースしてきたオリジナルアルバムの制作と並行するかたちで、いわゆる企画アルバムも精力的に制作している。
97年に香港、台湾、シンガポールでキャンペーンを行い、98年、99年には日本での活動と並行して、それらの地域でのコンサート、CDリリースやそれに伴うプロモーションなどを精力的に行っている。前後するが、97年には、自身の番組、ANB系『パパパパPUFFY』も開始。
PUFFYの2人が米国での活動をスタートさせたのは、00年のサウスバイサウスウエストへの出演からだ。これに先立って、全米のカレッジラジオ300局に対するプロモーションCDの配布なども行われているが、その一方で、このあたりからアニメ文化を中心に、日本のカルチャーに興味を示す層が徐々に形成され始め、その後のPUFFYの活動にも追い風となって作用していく。
00年のショーケースライヴがきっかけになって、01年には米国で、Puffy AmiYumi名義でアルバム『SPIKE』をリリース。『パパパパPUFFY』が終了した02年には、全11都市13公演という北米ツアーをおこなっている。B52’sのオープニングアクトやインストアイベントなども交えて行われたこのツアーでは、800から1000人キャパの会場が軒並みソールドアウトという状況に。
以降、米国でのリリース、プロモーションと並行し、04年にも米主要3都市でのツアーを実施。カートゥーンネットワークのアニメ番組『TEEN TITANS』主題歌、映画『SCOOBY-DOO 2』挿入歌、EDテーマへの起用も続き、同年11月にはいよいよカートゥーンネットワークで自身の番組もスタートさせている。PUFFY自身がアニメと実写とで活躍するこの『Hi Hi Puffy AmiYumi』は現在も続く同チャンネルの人気番組となり、米国でのPUFFY人気の決定打ともなった。米エピックから番組サントラがリリースされ、NYタイムズがほぼ全面を使った2人の紹介記事を掲載するなど、メディアでの露出も本格化した。
この『Hi Hi Puffy AmiYumi』が3シーズン目に入った今年、PUFFYはデビュー10周年を迎えた。4月に10周年第一弾シングルとして、奥田民生が作詞・作曲のみならず、全ての楽器を自分で演奏した「モグラライク」をリリース。甲本ヒロト書き下ろしの「モグラ」をカップリングする同作に続き、5月24日にはシングル「Tokyo I’m On My Way」を、6月28日にはアルバム『Splurge』をリリース。特にこのアルバムは、奥田民生、アンディ・スターマーはもちろん、前述・甲本ヒロトや横山健、草野正宗や、ジョン・スペンサー、ブッチ・ウォーカー、オフスプリングのデクスター・ホーランドら、これ以上はないという豪華な作家陣を擁している。
並行して5月13日の日比谷野音でのファイナルまで全13公演を行った“TOUR! PUFFY! TOUR! 10"を行い、6月には特別番組として、『パパパパPUFFY』が復活。
また、前述『Splurge』は7月25日に全米でもリリースされる予定で、それに先立ち、7月中に米国でも7公演を予定する“Puffy AmiYumi Tour ’06 Splurge! Splurge! Splurge!"を実施。ニューヨークで開催される夏フェス“River to River Fes."への出演も行うものだが、このツアー終了後は、サマーソニック、ロックインジャパン等の日本の夏フェスへの出演も行う予定で、日米での活動を両輪として行っていくPUFFYの11年目以降を象徴するスケジュールが組まれている。
PR