元お笑いコンビ「極楽とんぼ」の山本圭一(38)の淫行(いんこう)事件で、放送が無期延期になっているフジテレビ系「東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~」が再撮影されることが26日、分かった。制作サイドは近々、出演者側とスケジュール調整に入り、山本が出演しているシーンを撮り直し、秋放送を目指すという。
「東京タワー」はリリー・フランキーさんの自伝的な小説。昨年6月に単行本が発売され、「泣ける」との口コミがあっという間に広がり、165万部以上を売り上げた。
ボク、オカン、オトンの家族を中心に、福岡での少年時代から東京での大学生活、イラストレーターとして売れなかった時代に上京してきたオカンとの温かい交流が描かれている。
オダギリジョー主演による映画化(来年公開)よりも早く、フジテレビが映像化に踏み切った。当初は故・久世光彦さんが演出するはずだったが、その矢先に急死。映画「県庁の星」の西谷弘監督が後を継いだ。
大泉洋(33)がボク、田中裕子(51)がオカン、蟹江敬三(61)がオトン、神木隆之介(13)が子供時代のボク役、広末涼子(26)がボクの彼女役を演じており、山本は「ボク」の幼なじみという重要な役。大泉との絡みが多く、病に倒れたオカンとの感動的な場面にも登場しているという。
同局では事件の大きさを受け止め、放送の無期延期を決定。一時は「お蔵入りの危機」とも伝えられたが、完成品を入念にチェックした上、放送できるよう慎重に話し合った。
その結果、出演シーンをカットすると、ドラマとして成立しないことから、再撮影をするのがベストだと判断。制作サイドでは山本の代役選びを開始。スタジオやセットの手配や出演俳優のスケジュール調整も進行している。
関係者によれば、環境が整い次第、撮影に入る見通し。期間は1週間程度。秋放送を視野に入れている。山本の影も形もない「東京タワー」としてリニューアルされることになるが、作品に染みついてしまったイメージを払拭(ふっしょく)できるか、事件の影響はあまりにも大きい。
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