井上陽水(57)が、4年ぶりの新アルバム「LOVE COMPLEX」(28日発売)の中で愛娘と共作した曲を収録していることが7日、分かった。「長い猫」と題したロックナンバーで、陽水と詞を共作している依布(いふ)サラサさんが、実は娘だった。作詞のコツを聞かれた陽水が、その答えとしてタイトル付けをアドバイスした曲でもある。同アルバムは芥川賞作家、町田康氏の作詞曲やELT持田香織への提供曲など話題作がずらり。顔を銀紙で覆った異色ジャケットも話題を集めそうだ。
「長い猫」は、夜を舞台に猫をさまざまなイメージに投影させた不思議な世界が広がる曲。おおらかながら、どこか意味深な歌声とギターサウンドが印象的だ。シングル「新しい恋」のカップリング曲としてファンの耳には届いているが、陽水とともに作詞に名を連ねる「依布サラサ」が誰なのか、話題になっていた。
依布サラサさんは、4月に発売された女性歌手Salyuのシングル「Tower」のカップリング曲「マハラジャの夜」の作詞を手掛け、作詞家として活動を始めたばかり。陽水の娘であることは積極的に明かしていない。詳しいプロフィルも伏せられたままだが、父親から音楽的に強い影響を受けていることは間違いなさそうだ。
「長い猫」は、陽水が、アドバイスを求めてきた娘に1つの答えを出した曲でもある。車に同乗中、タイトルをどうやって思い浮かべるかと聞かれ、スタッフと娘に名詞と形容詞を別々に想像させた。詞を共作することなど決まっていない段階でもあり、それぞれ「猫」と「長い」というおよそ無関係な答えが返ってきた。すると陽水は「『長い猫』って、何となく面白いねえ」。ありきたりの言葉の組み合わせから自由な発想の面白さを伝え、詞の共作に発展した。
同アルバムには、ほかにも陽水の魅力をいかんなく発揮した曲がずらりと並ぶ。ポップス界をリードする天才の真骨頂として話題を集めそうだ。
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