歌手鈴木亜美(24)が女優に本格挑戦することが15日、分かった。基礎から学ぶため、今春から演技レッスンを受け始めた。岩井俊二監督が製作する映画「虹の女神 Rainbow Song」(熊沢尚人監督、10月28日公開)の出演も決定。所属するエイベックスが映画製作に本格的に乗り出していることもあり、主演女優の座を射止める日は意外に近いかもしれない。
亜美は現在、週に1回ペースで演技を学んでいる。発声法から始まり、感情表現やイメージトレーニングなどを通して基礎を身につけている。意外な挑戦の背景には順調な音楽活動がある。エイベックス移籍後、作詞を本格的に手掛けるようになった。「音楽は素の自分を出せるようになってきました。少し欲張りかも知れませんが、違う自分も見てほしくなった。演技は自分ではない人になれますから。自分から進んでレッスンを受けることを決めました」と説明する。
演技にはトラウマがあり、それも払しょくしたかった。実は過去に1度だけドラマに出演したことがある。00年NHK「深く潜れ~八犬伝2001」。「鈴木あみ」の名前でアイドル歌手として人気絶頂だった。演技に興味はなかった。
「言われたまま収録現場に行っただけ。準備らしいことも全くできなかった。作品を見て悔しかった。もう絶対にやりたくないと思いました」。その後、移籍トラブルに巻き込まれ、休業を余儀なくされた。自分を見つめる時間ができたとき「演技のことを何も知らないで嫌いになるのは、逆に嫌に思えました。いつかやってみたいなと思うようになっていましたね」という。
演技レッスンを始めてすぐ、映画出演の依頼が届いた。岩井監督がプロデュースする「虹の女神」。上野樹里演じるヒロインの友人役。出番は多くないが迷いなく引き受けた。撮影前に熊沢監督と真剣に話し合った。数シーンの女優デビュー。「もう終わりですかという感じでしたね(笑い)」というが充実感は深かった。「自主的に取り組むってこんなに違うものなのか」。熊沢監督からも「動じることなく自然に役になりきっていた」と評価を受けた。
めまぐるしかったデビュー時。休業を経て歌手復帰。音楽と女優の両立を目指す今を「鈴木亜美の第3段階です」と言った。
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