1982年7月に故石原裕次郎さんのレコーディングの模様を録音した未発表音源が、今年春に見つかっていたことが8日、分かった。84年に発売された「今宵もそっと」「ゆうすげの花」の2曲のレコーディング時に回されていたテープ。レコードデビュー50周年にあたる今年の命日(7月17日)にテイチクから発売されるメモリアルCDに入れられる。
発見されたテープは68分間で、曲が出来上がる過程がすべて記録された貴重なもの。裕次郎さんがディレクターらに「おっしゃる通りに何度でもやりますよ」と応じたり、「あとは、まかせたよ」とスタッフへの信頼も伝わってくる肉声が含まれている。
レコーディングが行われたのは1982年(昭57)7月25日。前年9月に胸部動脈りゅうの手術から奇跡のカムバックを果たしたばかりで、当時のテイチク社長・南口重治氏(故人)が「貴重な音になるから、録音しておいたら」とアイデアを出した。
当時ディレクターだった後藤武久テイチク制作宣伝本部長は「録音していたことは、裕次郎さんもわれわれも忘れていた。普段通りのレコーディングの音です。まるで、その場面にいる様な感じがします」と説明。ヘッドホンをせずにレコーディングすることで有名だった裕次郎さんだが、このときは写真撮影のため着用を自ら発案。しかし、結局、自分の声が聞こえないことから外してしまうというスーパースターの素顔にも触れられる。
録音したことはスタッフも覚えていたが、保管場所を移したりするうちに所在が不明に。レコードデビュー50年の今年、もう一度倉庫を探したら「(昭和)57年7月25日収録」とだけタイトルがついた1本が見つかった。
裕次郎さんの命日にあたる7月17日には、手術から復帰後のシングルをメーンにした18曲に加え、このレコーディングの音、親交のあった女優・奈良岡朋子が裕次郎さんを語ったトークが収録された2枚組みのCD「メモリー」が発売される。
≪NHKラジオで放送≫この音源は、22日にNHKラジオ第一の特集番組「伝説を走り続ける歌声~石原裕次郎レコードデビュー50年~」(後8・05)で流される。裕次郎さんは「お酒を飲みながらレコーディングしていた」などの伝説の持ち主で、特番ではレコーディングの模様から大スターの素顔を探る。
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