作家・よしもとばななさん(42)の小説「アルゼンチンババア」が、役所広司(50)と鈴木京香(38)の共演で映画化される。妻に先立たれた男性が再生していく物語で、鈴木は男性が恋に落ちる謎の女性「アルゼンチンババア」役。年齢は50歳で風ぼうも独特なキャラクター。清楚(せいそ)な役の多い鈴木の“ババアぶり”に注目が集まりそうだ。
鈴木が演じる「アルゼンチンババア」は、町はずれの廃屋のようなビルに1人で住む女性。本当はユリという名前だが、かつてアルゼンチンタンゴを教えていたことからこのあだ名が付き、町の人と距離を置いて生活する謎めいた人物だ。
原作では設定の50歳よりも老けて見えると描かれ、「魔女のようなわし鼻で、目は鋭いつり目で、やたらととがった体つきをしていて、いつもぼろぼろの服を着ている」と描写されている独特の外見。しかし、妻に先立たれた墓石職人の悟(役所)が恋に落ちるような魅力も持ち合わせたキャラクターだ。
長尾直樹監督(50)らが「ユリはとても難しい役なので、日本で一番透明感があり、演技力がある女優さんにお願いしたい」と依頼。鈴木も「自分が好きな物語の映画化に出演できるのは最高に幸せ」と快諾した。現在38歳だが、衣装や髪形、メークでアルゼンチンババアになりきる。
今月20日にクランクイン。撮影前から劇中で披露するアルゼンチンタンゴの猛特訓を始め、今月中旬には役作りのためにアルゼンチンを訪れたほどの熱の入れよう。「とても難しい役で“私とユリの距離は日本とアルゼンチンよりも遠く離れている”と怖くなる時もありますが、最後にはユリの外見の印象などがすべてなくなって、自然の一部のように映像の中にとけ込んでいられたらと願っています」と意気込み。役所も「絵本のような優しく心温まるファンタジー映画になると思う」と自信を見せた。来春公開予定。
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