歌舞伎俳優・中村勘三郎(50)らが代表発起人となった「浅草に江戸芝居小屋をつくる会」の決起大会が25日、東京・浅草ビューホテルで開かれた。浅草に芝居小屋は、勘三郎のかねてからの念願で、浅草の各地域団体の思惑とも一致。当面は建設予定地を台東区から借り上げるために10万人を目標に署名を集め、その後NPO法人を立ち上げて資金を募り、09年の完成を目指すという。
「きょうは芝居を見てくれ、という話ではありません。小屋を一つ建てさせてもらおうというお願いです」と切り出した勘三郎。「浅草は父(先代十七代目)が生まれ、土になっているところ。地元の皆さんの熱い思いを感じました」と代表発起人になった経緯を話したが、最も熱い思いを秘めているのは自身にほかならない。00年から3年間、浅草の地で平成中村座の興行を成功させたことが実を結んだ。
「-つくる会」によると、建設予定地として同区花川戸の都立産業会館のある場所をリストアップ。そこを借り上げることにより約1000人収容の江戸情緒の漂う芝居小屋を造る計画で、総工費は約20億円を見積もり。費用は候補地の問題に見通しがついた後、NPO法人によって地元の各団体、企業からの寄付や賛同者からの募金で賄いたいとしている。
勘三郎は「自分は一つひとつ、夢がかなえられて運がいい。この話も地元の人からわき上がってくれるのがありがたい。人が人を呼ぶような空間を作って、やりたいことはいくらでもある。まだ江戸が生きている浅草で、あくまでも江戸時代の小屋にこだわってぜひ、実現させたい」と熱弁。芸能界にも勘三郎の交遊関係を中心に協力態勢が進み、この日同席した演出家・串田和美氏のほか、三谷幸喜氏、野田秀樹氏、立川談志らが発起人に名を連ねている。
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