二枚目俳優として半世紀にわたりファンに親しまれた故岡田眞澄さん(享年70)のお別れ会が2日、東京・青山葬儀所で行われた。深紅のバラがちりばめられた祭壇は、生前好んだガーデニング風に仕立てられた。また、亡くなる直前にトレーニングジムを訪ね、自ら退会手続きを済ませていたことが明らかにされた。最後までダンディーに…。別れの場面も格好よかった。
深紅のバラがちりばめられた祭壇に、タキシード姿でニヒルな笑みをたたえた岡田さんの写真。祭壇には噴水も設けられ、会場内外には写真が十数点。20歳前後に撮影されたものから、歌手小田和正との近影2ショットなど、生前に岡田さんが「いい」と言った写真から、恵子夫人(44)らが選んだものだった。所属事務所の女性マネジャーは「岡田なら『こうする』という(趣味の)ガーデニングのイメージで祭壇を作りました」。同マネジャーの首元には、祭壇のバラと同じデザインのネックレスが下げられていた。
岡田さんは昨年6月に食道がんの手術を受け、今年3月に再入院した。その直前、同2月24日に日本テレビ系「午後は○○おもいッきりテレビ」で共演したみのもんた(61)は、死を前にした岡田さんのダンディズムを感じた1人だった。同じジムに通った仲でもあるみのは、生放送の合間に参列。なくなる直前に岡田さんがジムを訪れたエピソードを明かした。
みの「岡田さんは亡くなる1週間ほど前にジムに現れて、自分で退会手続きを行ったそうです。相当の覚悟だったと思いますよ」。
晩年の体力維持に力を貸してくれたジムに別れを告げるとともに、誰の手をわずらわせることなく、ひっそりと手続きを済ませたのだった。もともと、別のジムで一緒だった2人は、みのが岡田さんに誘われる形で現在のジムへ入った。「あの時もね、僕より先に(ジムに)着いてて、ガードレールに腰掛けて待っててくれた」と、振り返った。
さりげない思いやり、他人に頼らない強さ。岡田さんのダンディズムの根底にあるのは、そんな人柄だった。みのは「(きざなセリフ、ファッションも)何もかもが格好いい。女性への接し方とか、マナーとか、ずい分勉強させてもらいましたね」と魅力を語った。
この日は、同期デビューの宝田明、淡路恵子、平尾昌晃、郷ひろみら芸能人や親族、愛娘の朋峰(ともみ)ちゃん(7)の同級生ら約800人が出席。フィナーレでは、出席者が「さよなら」「ありがとう」「またね」など、思い思いのメッセージを付けたバルーンを空に飛ばし、旅立つ岡田さんを見送った。
PR