シンガー・ソングライター長渕剛(49)が1日、故郷・鹿児島の霧島市で空手の新極真会師範・新保智さん(にいほ・さとし、38)の道場開きに出席した。10年間、2人で貯金し共同で建てた“友情の結晶”。長渕は「帰る家が故郷にできた」と語り、「STAY DREAM」を熱唱し、激励した。俳優・哀川翔(45)ら100人が祝福に駆け付け、地元ファン1000人が道場を取り囲むなど異例の道場開きとなった。
2人の“友情貯金”が結実した。10年前、大きなだるま型の貯金箱を購入し、「剛と智の積み立て貯金」と命名。当時はまだ目標はなく、2人の漠然とした夢のためにスタート。「新保は小銭、オレは札」と長渕は冗談交じりに振り返ったが、こつこつためた金額は千数百万円にのぼった。
新保さんは空手世界大会入賞や、国内大会優勝経験もある猛者で、現在も選手として活躍。ストイックにけいこを積む新保さんと、肉体を鍛え上げ音楽に挑む長渕はすぐに共鳴。同郷ということもありジャンルを超えた友情を築いてきた。新保さんは上京するたびに長渕宅に宿泊。専用部屋があるほどで、毎年お盆と正月はともにトレーニングする間柄だ。
新保さんは偶然にも、長渕の母の他界と、今年4月の父が死去した日に居合わせており「運命的なものを感じています」。長渕は「鹿児島に帰る場所がなくなった」ともらしていたという。「新保、道場を作ろう」「押忍(おす)!!」貯金を新道場の設立資金に充て、2人の夢は実現した。
659平方メートルの敷地に建てられた道場は、通常より大きい60畳ある。長渕は「帰る家ができた。扉を開ければ『お帰り』と言ってくれる家がね」と感慨深げ。2人とトレーニング経験があり、鹿児島・鹿屋市出身の哀川も「空港から実家へ向かう途中に道場ができた。もう素通りできない」と協力を惜しまない。
道場開きは、長渕が“全面プロデュース”。和太鼓打ちや新保さんの氷柱割りなど、度肝を抜く演出が続いた。ボクシング元世界王者で、現在東京でジム会長を務める戸高秀樹さん(33)も出席。集まった100人を前に新保さんは「2人の友情の証しをしっかり守り抜きます」と決意表明した。
フィナーレで「STAY DREAM」を熱唱した長渕。「薩摩人の一途な思いを結集すればグローバルな挑戦もできる。そんなメッセージも込めた」と熱っぽく語った。
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