日本を代表するボーカルグループ、ゴスペラーズがこのほど米テキサス州ダラスで、全米NO.1ゴスペル歌手、カーク・フランクリン(36)とレコーディングした。敬愛するカークからゴスペルソング「Love Has the Power」を提供された5人は、「ゴスペルに感動し『ゴスペラーズ』と名付けたときの思いが甦った」と興奮。夢のコラボを成功させ、世界へ大きな1歩を踏み出した。
連日華氏100度(摂氏37・8度)超えを記録した8月のダラスで、さらに熱いレコーディングが展開された。
当初カークは「アップビートでハッピーな曲」を用意していた。だが、レコーディング前夜の9日、英国から米国へ向かう航空機を空中爆破しようとするテロ計画が発覚。ファンクな曲調はそのままに、「テレビをつけて眠れなくなった。全ての争いには終わりがない」と始まる、愛と平和を訴える歌詞に差し替えられた。
メンバーで中心的に作詞を担当する安岡も「タイトルの“愛は力を持っている”って、微妙にリアリティーがなかったりするんだけど、僕らも現地で同じ空気をつかんでいたから、言葉の意味をストレートに感じながら歌えた」と、その内容に納得した。
意外にも英歌詞の録音は、カバー曲以外で初体験。「カークはまず自分が最高に盛り上がって、僕らへの指示は励ましのように熱くて、判断も速かった」(酒井)というカークの勢いに乗せられ、作業は12日未明まで集中的に敢行、曲は一気に完成した。
リーダーの村上は「この曲のパワーを、日本に伝えることが出来るのは凄いことだと思う」と出来栄えに興奮。「19、20歳で純粋にゴスペルに感動して、同じように歌ってみたいと『ゴスペラーズ』と名付けたあの頃の思いが、ついに形になった」とまくしたてた。
それでもカークは「本当に気に入ったの?」と実に謙虚。5人は「素晴らしい!」と声をそろえ、黒澤は「ここで僕らが興奮したエネルギーを、日本の人にも体感してほしい。スタジオだけじゃもったいない」と、日本での共演を呼びかけた。
5人にとっても、カークの後押しで活躍の舞台を世界へ広げる好機。だが、北山は「ビルボードで何位だとか、そんなことだけが世界進出じゃない。言葉や宗教を超える歌を届けてゆけばいい」とキッパリ。海外レコーディングで夢のコラボを成功させた自信が、ゴスペラーズ流の世界観を広げたようだった。
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