ボーカル大友康平(50)1人で活動することになったロックバンド、ハウンドドッグが22日、大阪城野外音楽堂でライブを行った。大友の決定に納得していない元メンバーの橋本章司(50)、八島順一(50)、西山毅(44)が観客として来場する前代未聞の光景の中、大友は決別と新たな船出を意味する「太陽に向かって」を歌った。
元メンバーの来場は本番直前に伝えられていた。複雑な思いをしまい込み、アンコール前最後の曲「太陽に向かって」を歌った。♪今太陽に、太陽に向かって…誰のためでなく…。ミディアムテンポのバラードは、つらい出来事を乗り越え、自分のために歩き続けるという、ファンになじみのあるメッセージソングだ。大友の決意表明として選んだ曲だったが、元メンバーには決別の曲になった。
昨春以来、トラブルが続いた。50歳を機に、今まで背負い続けたバンドや事務所のことより自分のために歌いたいと、積極的になったとたんに周囲とのあつれきが生まれた。「おれ1人でもハウンドドッグを続ける」の決意に賛同してくれた元メンバーとも、考えが合わなくなった。6月、1人でハウンドドッグとして活動すると発表した。
この日は、その発表以来、初めてのライブだった。昨夏までと同じ6人で活動することを希望する3人も、覚悟を決めてチケットを購入。最後方から大友を見詰めた。元レベッカのメンバー小田原豊ら5人のサポートを受けた大友は「おれが1人いきがったところで、だれも集まってくれなかったらどうしようと思ったけど、こんなにたくさん集まってくれてありがとう! 1回こっきりの人生、熱く生きたいぜ!」と叫んだ。
騒動の詳しい説明はなかった。元メンバーは「生の、真の声を聞きたかっただけに説明がないのは残念だ」と話した。だが大友は、身内の不満やゴタゴタをファンの前で口にしたことはない。そんなスタイルにほれ込んでいたはずの元メンバーが「残念」と発言した。もう元には戻れないことを物語っていた。
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