NHK交響楽団正指揮者を務め、世界的に活躍した指揮者・岩城宏之(いわき・ひろゆき)さんが13日深夜0時20分、心不全のため都内の病院で死去した。73歳。東京都出身。葬儀などは親族のみで行う。
東京芸大で打楽器を学んだが、在学中にNHK交響楽団の研究員となって指揮に転じ、1956年、N響の特別公演でデビュー。60年のN響世界一周ツアーに同行して国際的に注目された。
60年代半ば以降、ベルリン・フィルをはじめとする主要オーケストラを指揮。日本人として初めてウィーン・フィルの定期公演を指揮した。75年には「違いがわかる男」のフレーズで有名なネスレのインスタントコーヒーCMに出演した。
精力的な活動の一方、01年に喉頭腫瘍(こうとうしゅよう)、昨年8月に肺がんの手術を受け、今年4月には肝機能障害のため入院。所属事務所によると、5月24日に都内で行われた東京混声合唱団の創立50周年記念コンサートで元気な姿を見せたが、同月末に入院。親族にみとられ息を引き取った。
7月にお別れの会が開かれる予定。
≪17日にNHK追悼番組≫NHKは、岩城さんの追悼番組を放送することを決めた。17日の衛星第2「クラシックロイヤルシート」は予定を変更し、96年に岩城さんが指揮した第1291回N響定期公演を放送する。また、7月2日の教育「N響アワー」でも特集を組む予定。
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