世界最強ロックンロールバンド、ザ・ローリング・ストーンズが1969年7月5日、英ロンドンに25万人を集めた「ハイド・パーク・コンサート」の未公開映像を、日本のエイベックスが発掘。DVD化して7月5日に世界初公開することが26日、分かった。37年前のテレビ放送でカットされた5曲のうち3曲をほぼ完全収録。世界中のストーンズファン、そして業界関係者を驚がくさせるのは確実だ。
もともとライブは、新ギタリスト、ミック・テイラー(当時21歳)のお披露目として開催される予定だった。だが、本番直前の7月3日夜、前月8日に解雇された初代リーダー、ブライアン・ジョーンズ(享年27)が謎の死を遂げ、急きょブライアン追悼公演に変更。このライブの模様は英グラナダ・テレビが収録していた。
しかし、ドキュメンタリー番組として編集されたため、演奏シーンは14曲中9曲だけだった。番組自体は“ストーンズ激動の時代を残す資料”として世界中が評価。今月もNHKBS2で放送されたが、カットされた5曲は見られなくて当然と、誰もが諦めていた。
ところが、ライブから37年を経た今年、エイベックスがブライアンの死の真相を追った映画「ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男」(7月下旬公開)の日本配給権を獲得。PR素材として同ライブの資料を探す中、「紛失したはずのマスターテープが、グラナダ社で見つかったらしい」という情報を入手。代理人を通し同社との接触に成功した。
見つかったのは、公演で3~5曲目に演奏された「マーシー・マーシー「ストレイ・キャット・ブルース」「ノー・エクスペクテイション」の3曲。曲間のミック・ジャガーのMCなども含め、ほぼ完全な形で残っていた。
エイベックスはこの貴重な3曲を、ライブ映像のDVDに特典映像として収録することを決め、番組そのものもデジタル・リマスター処理し、7月5日に緊急発売することにした。
40年以上ストーンズを追い続けている音楽評論家、越谷政義氏も「最初に聞いたとき、うれしさと驚きで涙が出た。キース・リチャーズが『ストーンズの再出発点』と語る貴重なライブの未公開映像を、日本人が見つけたなんて」と歴史的快挙に拍手喝采。エイベックスでは同DVDの世界発売と同時に、残る2曲の発掘にも全力を注ぐという。
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