歌舞伎俳優の中村橋之助(40)が10月にスタートするテレビ朝日系火曜時代劇「太閤記~天下を獲った男・秀吉」(後7時)で主演することが22日、分かった。橋之助は現在、NHK大河ドラマ「功名が辻」で秀吉に仕えた石田三成役で出演中。同時期に、部下から武将への異例の“出世”が実現した。橋之助は「若い人に楽しんでもらえる時代劇を作りたい」と意気込んでいる。
橋之助がサルになる。10月スタートのテレ朝系火曜時代劇「太閤記-」で豊臣秀吉を演じる。
橋之助は現在、NHK大河ドラマ「功名が辻」に石田三成役で出演している。三成は秀吉の家臣で、同時期に家来と武将の両方の役で出演するのは異例だ。橋之助は昨年11月には国立劇場での歌舞伎「絵本太閤記」で明智光秀を演じており、1年で、戦国の3武将を演じることになる。
さらに「功名が辻」で秀吉役を演じている柄本明(57)を、直接口説き落として出演させることに成功。柄本は「太閤記-」では秀吉の出世を見届ける架空の足軽役。柄本の家臣だった橋之助が、今度は、柄本の上に立つ“珍現象”も。橋之助は「柄本さんは酒を飲ませて(出演の)OKを取りました」としてやったりの表情。2人は「功名が辻」をクランクアップした7月中旬からそろって「太閤記」の撮影を開始した。
橋之助にとって「太閤記」は小学校低学年に、歌舞伎座で遭遇した、先代の中村勘三郎が演じた秀吉、萬屋錦之介が演じた信長の姿が、強烈に印象に残っている。「そのときに見た錦兄が格好よくてね。どこかですごい作品だという気持ちがあった」と思い出を話した。今回はテレビドラマだが、作品に対する畏怖(いふ)の念は変わっていない。
秀吉役が決まり、家族に報告すると、長男・中村国生(8つ)は「えっ、父たんが秀吉をやるの?」と驚き、1冊の本を持ってきた。ドラえもんが紹介する歴史まんが。「これみたいに、分かりやすい時代劇をやってよ」自分が運命の「太閤記」に出合った時の同じ年の息子の言葉。橋之助は「時代劇になじみのない人でも楽しんでもらえる、特に若い方に見てもらえるものを目指したい」と意気込んだ。
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