惨敗したサッカーW杯で、日本代表の各選手のCM価値はどう変化するのだろうか。89年からCM好感度調査を発表しているCM総合研究所の関根建男代表(66)ら業界の見方を聞くと、軒並み暴落というわけではなく、やはり“泣き笑い”があった。
イメージが何より大切にされるCM業界で株を上げたのは、スーパーセーブを連発した川口能活、ブラジル戦でゴールを決めた玉田圭司、そして中田英寿だったようだ。この3人に上昇マークを付けた関根氏は、以下のように分析した。「川口選手、中田英選手はユニホームを脱ぎ、プライベートの顔でも通用する。玉田選手はイケメンで、印象に残るゴールを決めた。特に中田英選手はよくやったと受け入れられ、最低でも現状維持でしょう」。
大手広告代理店関係者も川口について「安定感や守るというイメージから、保険や家関連の依頼が多数来そう」とみている。玉田についても、スピード感とさわやかさから食品、官庁の公共CMなどが予想されるという。
株を下げたのは、クロアチア戦で決定的な得点機を逃した柳沢敦と、警告累積でブラジル戦に出場できなかった宮本恒靖。関根氏は「宮本選手は大会前は飛ぶ鳥を落とす勢いでしたが…。今はまだ、世の中がショックを引きずっている時期。(CMで)顔を合わせるのは愉快ではないでしょう」と説明する。別の代理店関係者は「98年フランス大会時も、得点できなかった城彰二選手のCMが激減した。柳沢選手も同じ状況になりそう」と予想する。
変動がない選手もいる。関根氏は中村俊輔について「母性本能をくすぐるキャラクター。まだいけるのでは」と指摘。出場機会が少なかった大黒将志についても「ダイハツのCMの好感度が高く、コミカルなキャラクターとして今後も需要があるだろう」(関根氏)とみている。
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