女優・真矢みき(42)が、フジテレビ系「アテンションプリーズ」(火曜・後9時)で演じている鬼教官ぶりが評判だ。主演・上戸彩(20)ふんする落ちこぼれキャビンアテンダント訓練生をプロにすべく、厳しさと愛情をもって接するドラマの「もう一人の主役」。実は、もし宝塚と出会うことがなければ、キャビンアテンダントになるつもりだったという。宝塚を退団して8年。変幻自在の女優として活躍著しい注目の人を直撃した。
-鬼教官の反応は。
「うれしい反響が多くて。怖い役なのに。広く浅く友達がいますけど、今回が一番、メールの量も多い。心底まっとうしたい。大人の醍醐(だいご)味がある役。最初に嫌われ役のスタンスに身を置いている格好良さに引かれましたね」
-完ぺきな教官の印象。制服を着れば本物のキャビンアテンダントとして働けるのでは。
「無理、無理! 年齢制限があるから。男っぽいおばさんが宝塚に入れないのと同じ(笑い)。収録中は日本航空の人が真横でチェック。私も教わる側。ありがたい緊張感です」
-他界されたお父さまは航空会社勤務でした。
「父、兄も親せきもそう。だから、無謀にもキャビンアテンダントに簡単になれるんだと思ってました。家の中は飛行機の模型だらけ。実は、将来の選択肢の端っこにあったのが宝塚」
-個性の強い役が多い。
「素でやっているように思われがちなんだけど。すごくつくってるんですよ。自分の性格にない部分。でも、役ってありがたい。役で培ったものが心臓を持った形で呼吸しだす。自分に新たな部分が増えるよう」
-宝塚を退団して8年。
「やめて3、4年は男役の所作の大半が女優活動の上でマイナスに思えた。でも、男役を過去の箱に閉じ込めず、その経験ひっくるめて私なんだと、ようやく分かった。でも、いまいきなり舞台ソデに連れていかれて宝塚の衣装着せられたら、男役できると思う。形状記憶みたいなものだから」
-これからについて。
「簡単そうで難しいけれど、演者として常に『楽しい!』と喜びを持ち続けたい。結婚願望もない。でも次回、本当に乗客として飛行機に乗ったときにどう感じるんだろう。働く側のことが一応、分かったわけでしょ? 一体どんな感覚になるのか? いますごくそれが気になって仕方がないんです」
◆真矢 みき(まや・みき)1964年1月31日、大阪・豊中市生まれ。42歳。宝塚音楽学校卒。81年宝塚歌劇団に入団し初舞台。95年「エデンの東」でトップスター就任。男役に珍しい長髪、篠山紀信撮影の写真集、日本武道館でのコンサートなど型破りなスターとして活躍。98年に退団し女優転身。映画「踊る大捜査線2」「容疑者 室井慎次」、NHK朝ドラ「風のハルカ」などに出演。宝塚の同期に黒木瞳、涼風真世がいる。
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