16日に行われる神宮外苑花火大会(神宮球場ほか)にロシアの女性デュオt.A.T.u(タトゥー)がゲスト出演する。会場は秩父宮ラグビー場で、ミニライブを行う。シャープな歌声と過激パフォーマンスで世界的に活躍する2人は、日本では03年に起こしたドタキャン騒動の印象が根強い。創刊60周年記念として主催する日刊スポーツ社内は、緊張気味に本番を待っている。
6月下旬に日刊スポーツ社内で行われた神宮外苑花火大会実行委員会の席上だった。企画事業本部の中堅部員が「t.A.T.u.に出演してもらいます」と発表した。同委員会座長の常務が「ドタキャンの?」とうなるように聞き返した。ロマンスグレーの常務でもその名前は知っていた。
テレビ朝日系の音楽番組「ミュージックステーション」の生放送中に控室から出てこなかった騒動は、日本での知名度を一気に上げた。会社のビッグイベントにトラブルメーカーを招いていいのか? 企画部員は胸を張って説明を始めた。
各国でたびたび騒動を起こした2人だが、本人が関知しない出来事が多かった。当時のプロデューサーが自分のイメージに合わないことは、次々に土壇場でキャンセル。あまりの暴走ぶりに周囲が高額の違約金を支払って契約を解除した。04年にユーリャの出産が重なり、本格的な再始動は05年になった。10月に2枚目のアルバムを発売し、プロモーションのため来日。テレビ番組にも出演したが、司会者に「途中で帰らないで」と懇願されるなど、ドタキャン騒動の後遺症は根強かった。
しかし、ロシアを中心に2人の実力は高く評価されている。国外のライブやイベントも次々成功させ、メキシコでは2人を歓迎するファンの熱狂ぶりが話題になった。トラブルではなく人気が生んだ騒ぎだった。
今回の来日は9月20日発売の初のライブDVD「TRUTH~LIVE IN ST.PETERSBURG」のプロモーションで8月15日に来日する。同日ファンイベントを行い、翌16日に花火打ち上げ前の秩父宮ラグビー場でミニライブを行う。日本のステージで歌声を響かせるのは03年12月の東京ドーム公演以来。久しぶりに発売するDVDを得意の過激映像で編集せず、ライブで勝負したのはステージへの自信の表れだ。花火の夜。今度こそ歌声で騒ぎを起こす。ちょっと、ドキドキしてるけど。
神宮外苑花火大会詳細はhttp://www.jingu-hanabi.comで。
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