新人のシンガー・ソングライター、戸田康平(27)のデビュー曲「優しいだけの男」(7月26日発売)が、関西テレビ制作のスペシャルドラマ「ナツムシ」の主題歌に抜てきされた。5月からコーヒーチェーン「プロント」をミニライブで回って“武者修行”を積んできた戸田は、現役歯科医師の職をなげうってミュージシャンに転身した変わり種。デビュー1か月でのドラマ主題歌に「夢みたいです」と声を弾ませた。
高収入の安定した歯科医師から、音楽の世界に飛び込んだシンガー・ソングライターが、デビュー1か月でひとつの「夢」をかなえた。「映像と音がリンクした形での作品を作りたかった。早く(ドラマを)見てみたいです」
デビュー曲「優しいだけの男」は、アコースティックギターに乗せて、「女性の視点」で書かれた詞を歌ったミディアムナンバー。無名の新人ながら有線チャートでは最高24位を記録するなど、じわじわと支持を増やしている。関西テレビの重松圭一プロデューサーは、「ドラマの主題歌にする楽曲を探していたら、この曲にひきつけられました。サビが印象的で、このドラマとよくマッチしていました。新人だと分かり、さらに驚きました」と抜てき理由を説明した。
歯科大学を卒業後、いったんは都内の開業医の下に就職したが、大学時代に抱いた「音楽」への夢は捨てきれなかった。「最初は両立しようと思ったんですけど、仕事が夜中の3時、4時までのこともあって、100%無理だと思いました」1か月勤務したところで出した結論は「やっぱり音楽」。当初は猛反対していた父親ら家族も「『2年間』やって何の評価もなかったらやめる」という条件付きで、戸田を後押しした。
退職から今年がちょうど2年。レコード会社に送ったデモテープが目に留まったことで、夢の扉が開いた。「厳しい世界ですから」と話した「元」歯科医師。ミュージシャン・戸田康平が、まず一歩を踏み出した。
◆戸田 康平(とだ・こうへい)1979年7月16日生まれ。27歳。小学校でピアノを独学で始める。高校時代はパンクバンドでボーカルを担当。高3夏から歯科医師を目指し、1日12時間以上の猛勉強で歯科大学に合格。大学時代に結成したバンドでは、ギターとボーカルを担当した。卒業後、いったんは就職するも音楽の道を志して退職。7月26日に「優しいだけの男」でデビュー。
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