人気コミックが原作の映画「花田少年史 幽霊と秘密のトンネル」(19日公開)の“ロケ地凱旋試写会”が31日、広島・竹原市の忠海(ただのうみ)東小学校で行われ、主演の俳優・須賀健太(11)や水田伸生監督(47)らが舞台あいさつを行った。地元の小学生や中学生など約600人が、約1年ぶりに撮影現場へ戻ってきた一行を熱烈歓迎。作品をいち早くお世話になった人々に届けた須賀は「とても楽しく、いい思い出になった」と声を弾ませた。
瀬戸内海を望む広島県竹原市の忠海地区が「花田少年史」一色に染まった。街の至る所にポスターがはられ、住民の話題もこの日の試写会が中心。会場となった忠海東小学校には、大人から子どもまで約600人もの人が集まった。
小学生の太鼓の演奏と大漁旗に迎えられた須賀と水田監督、カメラマンの藤石修さん、そして犬のジロも、その熱烈歓迎っぷりにびっくり。須賀はアイドル顔負けに握手攻め、サイン攻めにあった。監督が映画の完成を報告。児童を代表して同校の山根正くんが「忠海にお帰りなさい」と歓迎のあいさつをした。
忠海地区では1年前の夏に同映画の撮影が行われた。全国を歩き回った監督が「原作の素朴なイメージにぴったり」と小さな漁港と山に囲まれた同地区を選んだ。須賀演じる花田一路は商店街を自転車で元気いっぱいに駆け抜け、運動会のシーンには1200人以上の地元の人がエキストラとして参加。街全体が一丸となって撮影を盛り上げた。
上映前にフォークダンスや似顔絵コンテストなどでさらに交流を深めた須賀は「とても楽しくていい思い出になった。ありがとう。忠海のきれいな風景が出てくるので目を離さずに見て下さい」とあいさつ。監督も「皆さんと一緒に作った映画。今日は仲間と見る感じです」と続けた。
上映は蒸し暑い体育館で行われたが、場内は笑い声あり、涙ありと大盛り上がり。入り口で手渡されたおにぎりをほおばりながら見た「花田少年史」は、子どもたちの一生の夏の思い出になったはずだ。
◆「花田少年史 幽霊と秘密のトンネル」 一色まことの人気コミックが原作。交通事故をきっかけに幽霊が見える“超能力”が身に付いた少年・花田一路(須賀)と家族とのきずなを描く。「ALWAYS 三丁目の夕日」の淳之介役で人気を集めた須賀は映画初主演。一路の母・寿枝役は篠原涼子(32)、父の大路郎役は西村雅彦(45)。北村一輝、安藤希、杉本哲太らが共演。
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