08年度のNHK大河ドラマが「篤姫(あつひめ)」に決定し、1日に同局から発表された。宮尾登美子さんの「天璋院篤姫」が原作で、徳川第13代将軍・家定の正室となった人物。現在放送の「功名が辻」の好調やフジテレビ「大奥」のヒットを受けての“女性の大河”となるが、歴代の作品の中では地味?
篤姫は江戸時代後期、薩摩・島津家の分家に生まれながら将軍の正室となったシンデレラ・ストーリーの女性。幕末の時代の波が押し寄せる中、大奥の総帥として女性を束ね、江戸城の無血開城の実現にも大きな役割を果たした。歴史上の人物の一代記が基本となる大河ドラマで、幕末の女性主人公は初めて。
最近ではフジテレビでヒットした時代劇「大奥」で菅野美穂(28)が演じ、皇女・和宮との対立でも知られているが、男性とは違って歴史の表舞台にはあまり出てこない人物。地味な印象を受けるが、同作を決定したNHKの佐野元彦チーフ・プロデューサーは「戦国時代のものが続いていたので、幕末ものをやりたいと思った。宮尾さんの原作を読み、篤姫の生き方に驚かされた。折々に厳しい決断を迫られながら、前向きに生きた女性を描きたい」と話した。
同時代の女性を描き映画化もされる「大奥」との違いについて佐野氏は「意識としては全然違うものがある。単なる嫁姑(しゅうとめ)の確執は描きたくないし、男性も含めた時代を描く」と説明した。主演女優(未定)は14~49歳を1人で演じ、歴史上の人物として勝海舟、坂本龍馬、西郷隆盛、徳川慶喜らが登場。また、薩摩藩の若き家老・小松帯刀(たてわき)が大河では初めてクローズアップされる。
脚本は、連続テレビ小説「さくら」を手がけた田渕久美子さん。「篤姫は、立場を分かって愛を選んでいった人。今の女性にも届けられるように書けたら本望です」。視聴率を取れる役者の出演が鍵となりそうだ。
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