女優、松嶋菜々子(32)が17日、徳島市内のホテルで行われた主演映画「眉山-BIZAN-」(犬童一心監督、来年初夏公開)のクランクイン会見に出席し、子を持つ母の気持ちを吐露した。実生活で一児の母である松嶋は、今回分かり合えなかった母と心を通わせていく娘役に挑戦。「子供がいて分かるようになったことがたくさんあります」と実感を込めながら熱演を誓った。
平成13年2月に俳優、反町隆史(32)と結婚し、同16年5月31日に女児を出産して以降、公の場で母の心境をあまり語らなかった松嶋が心境の変化を明かし熱演を誓った。
同作はシンガー・ソングライター、さだまさし(54)の同名小説を原作に、末期がんに冒され余命幾ばくもない母(宮本信子)に付き添う娘・咲子(松嶋)が、母の本当の心と深い愛を知り、心を成長させていく感動作。咲子を支える恋人の青年医師を大沢たかお(38)が演じる。
父を知らず女手ひとつで育てられたという設定に松嶋は「子供にとって父親の役割は大きいと思います。母親が父親の代わりを果たそうと一生懸命頑張っても、全部が子供に通じるものではなく、やはり所々で心がすれ違う。いろいろな切なさを感じます」と役を深くつかんだ様子。
さらに「台本を読んでいても咲子が何かを言う気持ちより、言われた母の気持ちに反応してしまいます。子供にこう言われるとつらいという台詞がいくつかあるんです」と母親としての実感を静かに語っていた。
前日の16日に同市内でクランクイン。現在は咲子が母のある願いを叶えようと、阿波踊り見物に連れ出すクライマックスシーンの撮影に、5日間のスケジュールで臨んでいる。同シーンでは、実際の阿波踊り(12~15日)会場の1つをそのまま保存して使用し、本物の踊り手33団体・543人と観客約2500人、5日間で延べ約1万2000人に上るエキストラの協力を得て本場の阿波踊りを再現。松嶋は「感動しました。人情味という温かさが加わりました」と仕上がりに自信をのぞかせた。
9月中旬まで同市内でロケし、都内の撮影を経て10月中旬にクランクアップ。松嶋にとって平成10年の「リング」以来、9年ぶりの主演作で、心“踊る”夏を過ごしている。
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