PENICILLINのボーカル、HAKUEIとギターの千聖が、ユニットnanoを結成、8月一杯までの期間限定のユニットとして活動を開始する。発売元は00年に立ち上がったユークリッド・エージェンシー。音楽制作のほか、マネージメントからデザイン制作までを手掛ける会社で、代表取締役は木村敏彦氏。以前、徳間ジャパンで取締役音楽事業本部長を務め、リンドバーグ、岡本真夜を手掛け、96年には千聖のソロデビューにも携わった。
「徳間ジャパンでの出会いがきっかけで、千聖くんとは付き合いが続いています。徳間ジャパンを退社したのち、テレビ朝日ミュージックを経て、現在のユークリッド・エージェンシーの設立に至ります。今回のnanoの誕生は、付き合いの長い千聖くんからのちょっとした提案からでした」
木村氏によると、3年ほど前に千聖から「もう一回ソロをやりたい」と言われCrack6(クラックシックス)という形のソロ・プロジェクトがスタートしたことが今回のnano誕生につながっているという。現在も活動が続くCrack6だが、今回のnanoは、PENICILLINの結成10周年という背景もあって、「“何か特別な活動をしたい"という話になったのです」。
それがこの夏の期間限定で活動する理由でもある。そして、この「何か特別なこと」のアイデアとして、HAKUEI、千聖、そして木村氏の3人で様々な意見を出し合った。それが、8月1日から、7日まで7日間連続でのシングル・リリースだ。この理由については、「とにかく誰もやったことが無くて、自分たちもワクワク出来て、しかも人目を引くことがやりたかった」という。
「毎週のリリースというのでは、倖田來未さんと一緒。じゃ、一週間毎日リリースは?という話を冗談で話してて、“ナノ日間連続って語呂も合ってるし…"、というシャレが勢いをつけたのも事実です(笑)」。
もちろん、語呂がいいからという理由だけではそう簡単に7日間連続リリースという冒険には踏み切れないだろう。実際のところを突っ込んで聞いてみると、「nanoとして出来上がった楽曲がどれもシングル候補になるほど、良い作品だった」という話が聞けた。なるほど確かに今回の作品は、どれも掴み所が明確な名曲ぞろい。nanoは、HAKUEI、千聖のほか、メンバーはパーカッションとキーボードのみ。リズムは打ち込みという編成。PENICILLINやCrack6とはまた一味違ったアプローチとなっている。ドラマーではなく打ち込みを前提にした自由度の高い編成が良質な作品を生み出した。それは、全作品のカップリングに収録された、PENICILLINの楽曲のカバーを聴いても確認することができる。
今回の7日間連続シングルリリースについて、事前にヒアリングをした。それによると、「何度もあるとお金にも困っちゃうけど、1度くらいだったら毎日新曲が発売されるのはうれしい」という意見がかなり多かったそうだ。そんなユーザーの意見も今回の企画の後押しをしたといえそうだ。
なお、DVD付きも発売。通常はPVが収録されるが、それじゃ、普通でつまらないということで、このDVDには、新たに撮り下ろされたHAKUEI、千聖が出演するムービー、夢野久作原作の『ドグラ・マグラ』が1話ずつ収録される。8月18日に発売予定のアルバムの特典DVDで話が完結するもので、かなり見応えのある作品。7日間連続リリースとともに話題を呼びそうだ。
PR