俳優、唐沢寿明(43)と女優、りょう(32)が、テレビ史上初めてCMの枠内を使って放送される連続ドラマに出演することが6日、分かった。1話45秒のミニドラマ「八月の虹」(TBSで11日スタート、全10話)で、環境破壊によって地球が絶滅の危機を迎える衝撃的なテーマを描いた。7分30秒に賭けた唐沢の迫真の演技は、今夏、話題を呼びそうだ。
真っ黒な大地、まばゆいばかりに照りつける太陽。そこへスーツ姿の唐沢が、ノドを枯らし、今にも倒れそうになりながら必死で歩く。
ドラマのオープニングからショッキングな映像が飛び込んでくる。舞台は2045年。地球の温暖化が予想以上のスピードで進み、地球全体が砂漠化していたという実際に起こりうる近未来を描いた。
この作品、電通が映像を通して環境問題を真剣に考える「グリーンフィルムプロジェクト」を立ち上げ、10企業の賛同のもと、TBSのCM枠を買い取って制作した。環境問題の啓蒙CM的な要素もあるが、れっきとした連ドラだ。
映画「RED SHADOW 赤影」やGLAY、布袋寅泰らのプロモーションビデオで知られる中野裕之監督(48)がメガホンを執り、CGで描かれた黒い虹が登場するなど、短い放送時間からは想像できないほど本格的な作品に仕上がった。
撮影は先月下旬、東京・伊豆大島の裏砂漠と呼ばれる、見渡す限り火山灰の丘で行われた。汗を流しながら迫真の演技を見せた主演の唐沢は、「暑くて疲れたけど、ストーリーのおもしろさにひかれた。みんなが少しでも環境問題を考えるきっかけになってくれたら、それだけでも意味がある」とやり甲斐を強調した。
現代からタイムスリップした唐沢に、「あなたが殺したの。地球を、未来を…」と責める謎の美女役のりょうは、実生活では一児の母(昨年7月に長男を出産)。「こんな時代に産んでよかったのかなと考えたこともあります。スーパーの袋を減らすとか、身近でできることをしていきたい」と語り、出演が環境問題に取り組むきっかけになったという。
大人から子供まで幅広い世代に見てもらえるように、夏休みが選ばれた。土日を除く11日から24日まで、1日1話ずつ(午後2時直前と同3時直前、それ以外はアトランダムな時間の計10回)放送される。インパクトは抜群なだけに、一石を投じそうだ。
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