少女漫画界の大御所、くらもちふさこさんの代表作「天然コケッコー」が、「三井のリハウス」のCMなどで人気急上昇中の女優・夏帆(15)主演で映画化されることが16日、分かった。島根の田舎に暮らす少女の初恋物語で、くらもち作品の映画化は初めて。昨年、「リンダ リンダ リンダ」で注目を集めた若手の山下敦弘監督(29)が演出を担当する。
「NANA」「ハチミツとクローバー」など人気少女漫画からヒット映画が次々と誕生する中、最後の大物の代表作の映画化が決まった。
「天然コケッコー」は、1994年1月から2000年7月まで月刊誌「コーラス」(集英社刊)に長期連載された、くらもちさんの代表作。原作本(全14巻)の総売り上げは140万部を超える。72年にデビューしたくらもちさんは「いつもポケットにショパン」など多くのヒット作を生みだし、後進にも大きな影響を与えている巨匠だが、映画化は今回が初めてとなる。現在映画公開中の「ハチクロ」(原作・羽海野チカ)も同誌の人気作品だ。
島根の山奥の中学校に通うヒロイン・右田そよが、東京から来た転校生の大沢君に寄せるほのかな恋心を、家族愛や日本の美しい田園風景とともに描く、ほのぼのとした青春物語。純粋なそよ役には、まさに役柄そっくりの魅力で人気上昇中の夏帆を起用。映画は初主演で「そよちゃんには『分かる!』という部分が多くてすごく共感してます」。相手の大沢君役は若手の岡田将生(16)が演じる。
25日から原作の舞台と同じ島根県でクランクイン。田園風景を大切にした作品とあって、夏休みから秋冬へ季節の移り変わりとともに撮影を進め、来年公開の予定。
来年高校受験を控えた夏帆は「友達から勉強やばいよと言われてるのでロケに宿題と参考書を持って行きます」。山下監督は「都会に流れる時間と、自然の中で流れる時間は全然違うものだと東京に住み始めて思うようになった。今回はそういった『流れる時間』を意識して映画化していきたい」と意気込んでいる。
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