俳優の唐沢寿明(43)が来年4月にロンドンのバービカンシアターでシェークスピアの名作「コリオレイナス」を上演することになった。演出を手がけるのは、世界の“ニナガワ”こと蜷川幸雄氏(70)。2人の強力タッグでシェークスピア劇の本場へ乗り込む。
唐沢にとっては、「マクベス」に次ぐ2度目の沙翁(さおう)劇。しかも、おひざ元ロンドンでの上演。舞台を志す役者にとっては、まさに“真夏の夜の夢”だけにプレッシャーも相当なものだ。
「前回もそうだったんですが、シェークスピアの作品をやると、何か役者の力量が試されているような感じがするんですね。長いセリフがちゃんとお客さんに理解してもらえるように伝えられるのかとか、とにかく本気で取り組まないと大変なことになるんです」
本格的な稽古が始まるのは12月に入ってから。「これからが自分との闘いになる」とすでに臨戦態勢だ。
ビッグプロジェクトが決まったのは今年2月のこと。唐沢が蜷川氏の舞台「間違いの喜劇」を彩の国さいたま芸術劇場で観劇。その際、唐沢の顔を見た蜷川氏が突然、「やるんだよ、やるんだよ、やるんだよ」と無理やり握手を求めて来て、一方的に押し切られたという。
唐沢は「あの時はなんだかさっぱりわからないまま、蜷川さんはそれだけ言ってどこかへ逃げてっちゃったんですよ」と笑顔。一方の蜷川氏は「唐沢君のことだから、“今回も蜷川さんから脅迫されて仕事を受けた”とか思ってるんじゃないかな」と話し、気心を知り尽くした者同士のやりとりで話が進んだようだ。
上演されるのは、バービカンシアターが主催する英国でも屈指の国際演劇フェスティバル「BITE」。その10周年の目玉イベントとなり、蜷川氏は「作品の参加要請があった時から、唐沢君と行こうと決めてましたね。彼は誠実かつ繊細な俳優で素晴らしい」と期待を寄せていた。
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