俳優、大沢たかお(38)と女優、中谷美紀(30)がこのほど、W主演映画「7月24日通りのクリスマス」(村上正典監督、11月3日公開)の最終ロケをポルトガル・リスボンで行った。たった3分間のシーン撮影に総額1億円の予算を投入する超ゴージャスロケで、しかも2人ともセリフはゼロ。欧州屈指の美都で異色ラブコメディーのハッピーエンドを演じた2人は「笑って泣けて誰にでも共感してもらえる映画になったと思います」と自信を見せた。
真っ青な空と海、オレンジ色の屋根、大西洋を渡る爽やかな風。古きよき都リスボンで、大沢と中谷が王道を行くロマンチックラブコメディーの甘いラストを飾った。
今回のリスボンロケに投じられた予算は約1億円だが、2人ともセリフは一言もなく、わずか3分間の映像に物語のクライマックスを凝縮した。1日1シーンの撮影のためだけにリスボン入りした大沢は、異例の“豪華無言ロケ”について「セリフがないからというより、2人がどういうエンディングを迎えるか、映像の仕上がりが楽しみですね」。一方の中谷は「皆さんが撮影で大変な中、セリフがないので1人だけ落ち着いている感じです」といたずらっぽい笑顔をのぞかせた。
2人のツーショット撮影はリスボン市内の高台にある観光スポット、太陽の門広場で4日夕(現地時間)に行われた。自分の住む長崎の街をリスボンになぞらえる妄想癖豊かなオタクOL(中谷)が、学生時代の憧れの先輩(大沢)との恋を何とか実らせて1年後のクリスマスという設定。妄想ではなく現実にリスボンを2人で訪れるという幸せ絶頂のシーンだ。
地味~なOLのはかない恋に花が咲く、まさに胸の熱くなる展開。役柄について中谷が「自分は過度の妄想はしないですが、空想や想像は大好き。素敵な王子様に憧れる気持ちはよく分かります」と共感を寄せると、“王子様”キャラが似合う大沢は「実体験がないので『オレは王子様なんだ』って念仏唱えて何も考えずに演じました」と話し、中谷やスタッフの笑いを誘った。
同市内の気温はこの日28度。暑さが撮影スタッフを苦しませたが、「映像では冬に見せるためCGなども使います」(村上監督)。市内を東西に走る実際の「7月24日通り」は殺風景なため撮影には使われなかった。
村上監督の前作「電車男」でエルメスを演じた中谷は今回、長崎ロケに続いてリスボンロケでも色気のないめがね、丈の長いスカートなど、「電車女」ともいえる地味な女性に成りきったが、最後はリスボン市内をゴトゴト走る旧式の路面電車から降り、続いて降り立った大沢に肩を抱かれ笑顔で歩き出すという感涙ハッピーエンドで華麗な変身ぶりを見せる。
「電車」が今作でもキーワードになっているようだ。「電車男」の興収37億円を超える大ヒットを目指している。
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