04年のNHK朝の連続テレビ小説「天花」でデビューした女優の藤澤恵麻(23)が、公開中の主演映画「ラブ★コン」(監督石川北二)で、コメディー女優としての魅力を開花させた。朝ドラで歴代最低視聴率を記録した不名誉から2年。「へんな顔」に重点を置いた表情豊かな演技で、新境地を切り開く。
銀幕に、畳1枚ほどの「顔」のドアップが関西弁で泣きわめきながら迫ってくる。「へん顔」を連発し、人気モデルだったことなど忘れてしまう迫真の演技だ。
原作は中原アヤ氏の同名人気漫画。藤澤は「(主人公の)リサの良さは、表情の豊かさ。実写でも出していこうと“根性”でやりました」。
これが好評で、雑誌「ぴあ」の満足度ランキングでは「日本沈没」など、7月15日公開の21作品のうち、堂々の1位。配給の松竹は、興行収入10億円を見込んでいる。パンフレットの売り上げも好調で、松竹の通常作品と比べると3倍という。
「天花」では演技経験ゼロを売りにして臨んだが、平均視聴率16・2%は歴代最低。視聴者の一部から酷評された。当時を振り返り「分からないことだらけの中で、あの時の私なりに精いっぱいやった。だから“見られたもんじゃない”と言った人には申し訳ないと思うけど、背を向けるつもりはない」と胸を張る。
女優歴2年。テレビでもがき苦しんだ経験が、スクリーンで開花。「後で映像をチェックして、私こんな顔しちゃったんだ。お母さんごめんなさいって何度も思いました」。1つの役に没頭し、突き抜け、巨大スクリーンに負けない表現力を身につけた。
趣味はプチトマトの栽培。「今年の夏は育ったトマトを食べることが夢」と白い顔を赤くする。女優としても機は熟しつつある。
◆藤澤 恵麻(ふじさわ・えま)1982年(昭57)12月26日、香川県生まれの23歳。上智大学経済学部在学中の01年から雑誌「ノンノ」の専属モデルに。05年11月、映画「奇談」で銀幕デビュー。1メートル68。血液型O。
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