3日に放送されたSMAP木村拓哉(33)主演のフジテレビ系スペシャルドラマ「HERO」の視聴率が、30・9%(関東地区、関西地区27・8%。ビデオリサーチ調べ)を記録したことが4日、分かった。スポーツ中継以外の今年の最高視聴率だった。木村の親友で前サッカー日本代表の中田英寿氏(29)が静かに現役を離れた夜、芸能界のヒーローは強さを見せた。
同ドラマは、01年に放送された連続ドラマの続編スペシャル。正義感の強い異端検事の活躍を描いた。木村はこの日「たくさんの方に『おかえりなさい』と言っていただけてうれしく思います。ありがとうございます」とコメントした。
同ドラマ放送開始の午後9時に木村の親友でもある中田氏のホームページ(HP)で現役引退が発表された。フジテレビでもドラマ開始直後に速報のテロップを流した。NHKやテレビ朝日の報道番組が中田氏のHPに掲載されたメッセージを繰り返し紹介し、衝撃のニュースを伝えた。それでも同ドラマの視聴率は、今年放送された全ドラマで初めて30%超を記録した。2人がそんな数字上の争いを気にするはずもないが、この日の夜は2人のヒーローが列島を駆け抜けた。
木村は中田氏の引退についてコメントは控えた。実は、ブラジル戦直前に中田氏から「W杯の舞台でぶつかる相手がブラジルというのは幸せなこと。最後まで戦い抜く姿を見ていてほしい」というメールを受け取っていた。何かを感じ取った木村も「見届ける」と返信した。活躍の場は異なるが、ともにトップを走り続ける2人は強い共感で結ばれている。
平均視聴率30・9%は今年開催されたトリノ五輪、ワールドベースボールクラシック、サッカーW杯といった世界的なスポーツイベントの中継に次ぐ数字で、木村のカリスマ性があらためて示された。また1人、国民的ヒーローが姿を消した夜だっただけに、不思議な因縁を感じさせる。
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