お笑いコンビ「品川庄司」の品川祐(34)が作家デビューする。小説「ドロップ」(8月4日発売、リトルモア)で、漫画「ビー・バップ・ハイスクール」にあこがれて私立の進学校から不良が集まる公立校に転校した自身をモデルとした青春群像劇。最近では劇団ひとり(29)の「陰日向に咲く」が話題になったばかり。芸人作家・品川のデビュー作がヒットするかどうか注目される。
「ドロップ」の舞台は80年代の東京・狛江。主人公・信濃川ヒロシは進学校の私立中学に通いながら、漫画「湘南暴走族」や「ビー・バップ・ハイスクール」の不良にあこがれる中学生。受験勉強のまっただ中の3年の2学期に、あこがれを捨て切れず地元の区立中学に転校する。
金髪に染め“にわか不良”になったものの、けんかの経験すらない。「クリスマスにはゴッドファーザーだって、けんかしねーんだよ」とすごんでけんかを避けようとする口のうまさとハッタリで不良グループに溶け込んでいく。
ヒロシのモデルはもちろん品川自身。04年から3年連続で、吉本ブサイクランキングに入っている外見からは想像しにくいが!?実は会社社長の息子。小学校時代には塾の国語の模擬試験で渋谷区2位に輝いたこともある秀才で、中学は私立の進学校に通った。それが中学卒業後、高校を中退し芸人としては遅めの23歳で吉本興業の芸人養成学校に入学。品川は物語について「(けんかのシーンなどは)ほとんどフィクション」としているが、小説を読めば、異色の経歴を歩んだ品川の素顔を垣間見ることができそうだ。
きっかけは出版社からの誘い。「小説を書くのが好きになりました。2作目、3作目と書いてみたいなあと思います」と執筆活動にすっかり目覚めた様子。先輩芸人・島田洋七(56)の小説で昨年7月に発売された「佐賀のがばいばあちゃん」は映画化されることが決まっており「この作品も映画化されたりするとうれしいのですが…」と期待。ファンに向けては「正直、一気読みできます!」とアピールした。
≪ひとり、洋七はベストセラー≫「劇団ひとり」の処女小説「陰日向に咲く」は今年1月末の発売以来、6月現在で約33万部を売り上げるベストセラーになった。大手映画会社を含む7社から映画化の申し入れが殺到するなど注目度も高い。作品はギャンブルで作った借金の末に振り込め詐欺をはたらく男ら6人の男女を描いた5編の連作短編小説集。島田洋七の「佐賀のがばいばあちゃん」は約60万部が売れた。
≪イケメン庄司の父も社長≫品川は美容用品の総合商社「ヤマノグループ」を創立した故山野愛子さんの孫としても知られる。1995年に東京吉本総合芸能学院(東京NSC)第1期生として入学し、同期の庄司智春(30)とコンビ結成。庄司の父親も会社社長だが、こちらは客室乗務員が物を取るときに使う台のバネを作る町工場を経営。バラエティー番組などでは、しばしば貧乏キャラクターをネタにしている。また筋肉質で、ベビーフェースとのアンバランスさも売りにしている。
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